ドラフトの通信簿

NPBドラフトにおける、各球団の指名結果を採点します。

2022年ドラフト<北海道日本ハムファイターズ編>

この年のファイターズの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2023シーズン終了までの通算成績になります。)

 

1位 矢澤宏太  17安打+2回 
2位 金村尚真  25回
3位 加藤豪将  42安打
4位 安西叶翔    0回
5位 奈良間大己 44安打
6位 宮内春輝  16.2回
育1 藤田大清   -安打
育2 中山晶量   -回
育3 山口アタル     -安打
育4 山本晃大   -回

 

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで146.2Pになります。球場移転して迎えた今シーズン、しかし2年連続最下位と厳しいシーズンになりました。


1位は二刀流で話題の矢澤を指名。今シーズンは投手として2イニング、打者として17安打の結果を残しました。投手としては伸びしろを感じさせつつもまだまだ未完成、野手としては走力を生かした外野守備にフルスイングできる打力と、今のところは野手として戦力になりそうな雰囲気を見せています。


2位の金村は4試合しか先発できませんでしたが、防御率1.80で2勝1敗を記録。来季に期待が持てます。


3位の加藤はアメリカから来たオールドルーキー。序盤は圧倒的な打棒を見せましたが、終わってみるとops.614で、守備もなかなか厳しい。編成的には大きな誤算となったはずです。来季は日本にアジャストできるのかどうか。


5位の奈良間は遊撃で上川畑に次ぐ34試合でスタメン。どちらも打撃が課題というタイプで来季もレギュラー争いは続きそうです。

2022年ドラフト<中日ドラゴンズ編>

久しぶりの更新になりますが、今年のドラフト会議が近づいたこのタイミングで、2022年のドラフトの評価をしていこうと思います。


まずは、中日ドラゴンズからです。この年の指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2023シーズン終了までの通算成績になります。)

 

1位 仲地礼亜 43.1回
2位 村松開人 57安打
3位 森山暁生  0回
4位 山浅龍之介  0安打
5位 濱将乃介  0安打
6位 田中幹也  0安打
7位 福永裕基 70安打
育1 松山晋也 35.1回
育2 野中天翔  -回
育3 樋口正修  0安打

 

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで205.2Pになります。2023シーズンの球界をいろいろな意味で騒がせたドラゴンズ、長く続く低迷でチームの雰囲気は暗いですが、その分だけ若手にはアピールの場が多くなる環境にあります。


1位はドラフト前からの公表通り仲地を指名。沖縄県の大学に所属する選手がドラフト会議で指名されるのは史上初です。1年目は9先発で2勝5敗とぼちぼちな数字。9月は防御率2.95で尻上がりで終えることができましたので、来季に期待です。


2,5,6,7位で二遊間タイプの内野手を一気に指名。開幕前に良いアピールがあったのは6位田中なのですが、なんと開幕前に右肩脱臼の不運。一軍出場は来季からということになりそうです。2位村松はまずは遊撃で起用されますが、本職の二塁に移動してから本領を発揮して、堅実な守備を披露。打撃の方はops.492ということで物足りません。7位福永はまずは二塁で起用されますが、まずい守備から三塁起用に方針変更。打撃の方はops.619ですが、三塁には石川という本命がいますので来季はサブ扱いでしょうか。


期待の新星は育成1位の松山。8月9月はセットアッパーとして起用され無双状態。36登板で防御率1.27はすばらしい。

2021年ドラフト<集計編>

さて、チーム毎に振り返ってきた2021年ドラフトですが、獲得ポイント順に並べると次の通りとなります。(ポイントの横は、獲得した主要選手です。カッコ内はまだ1軍で目だった結果は出していないものの、期待値の高い選手です。)

 

西武 156.2 隅田・佐藤・滝澤(古賀)
読売 154.2 大勢・赤星
ハム 140.1 北山・上川畑(達)
広島 136.1 松本(末包)
ロッ  93   松川
オリ  72   椋木(野口)
SB  60   野村(風間・正木)
楽天  58   西垣(安田)
中日  38   (鵜飼)
ヤク  35.1 (山下・丸山)
阪神  23   (森木・桐敷・前川・岡留・中川)
De  12.1  (小園)

 

即戦力が大充実した2020年ドラフトに比べると、かなりさびしいポイントになってしまったこのドラフト。そんな中でも、クローザー・大勢を確保できたジャイアンツと、ショートのレギュラー候補の上川畑を確保できたファイターズは成功といってよいでしょう。


しかし、その他のポイント上位陣はポイントの割にはやや不安な内容。ライオンズの隅田・佐藤は与えられたチャンスの割には今後が心配な成績、カープはドラ1の黒原がハズレっぽく、マリーンズの松川の起用には井口監督の辞任が影響するかもしれません。


一方で、有望プロスペクトを多く抱える阪神や、椋木&山下にエース級活躍の期待もできるバファローズとスワローズ、このあたりの今後には期待できそうです

2021年ドラフト<オリックスバファローズ編>

この年のバファローズの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2022シーズン終了までの通算成績になります。)

 

1位 椋木蓮  17.2回
2位 野口智哉 35安打
3位 福永奨   1安打
4位 渡部遼人  1安打
5位 池田陵真  3安打
6位 横山楓   0回
7位 小木田敦也14.1回
育1 山中尭之  0安打
育2 園部佳太  0安打
育3 大里昂生  0安打

 

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで72Pになります。


1位は椋木の一本釣りに成功。プロ初登板初先発で初勝利をあげると、2戦目で9回2アウトまでノーヒットノーランの好投。しかしその後、右ひじを故障してトミージョン手術を受け、戦力外→育成再契約となりました。ドラ1を1年で戦力外にすることには驚きましたが… 回復すればローテの一角を担う実力があることには疑いありません。


2位の野口は背番号9を与えられた期待の内野手。ニ/遊/三と内野ならどこでもそつなくこなせる守備力があります。バファローズ内野手といえば、紅林と太田がエリート扱いされていますが、2人とも伸び悩みの感があるのは確か。この2人に刺激を与える面白い存在になりそうです。

2021年ドラフト<東京ヤクルトスワローズ編>

この年のスワローズの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2022シーズン終了までの通算成績になります。)

 

外れ 隅田知一郎
1位 山下輝  12.1回
2位 丸山和郁 21安打
3位 柴田大地  1回
4位 小森航大郎 0安打
5位 竹山日向  1回
育1 岩田幸宏  0安打

 

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで35.1Pになります。


1位は隅田を外しても即戦力左腕を求めて山下を指名。1軍初登板は9月22日と遅くなりましたが、2先発で1勝1敗。日本シリーズ第5戦の先発にも抜擢されました。来季は先発ローテ争いに加わることができるでしょうか。


2位の丸山は大卒の外野手。今季は主に途中出場でしたが、71試合に出場し97打席を経験。日本シリーズにも出場し好捕を披露しました。スワローズの外野手は塩見が絶対的スタメンであるものの、サンタナはケガで離脱しがちで、青木は高齢。それに次ぐ存在が山崎(29)というところで、丸山の成長には期待がかかります。スワローズは今年のドラフトの3位で同じ左投左打・大卒外野手の澤井を指名しており、丸山とのポジション争いが予想されます。

2021年ドラフト<千葉ロッテマリーンズ編>

この年のマリーンズの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2022シーズン終了までの通算成績になります。)

 

1位 松川虎生  32安打
2位 池田来翔   2安打
3位 廣畑敦也  36.2回
4位 秋山正雲    0回
5位 八木彬   22.1回
育1 田中楓基   0回
育2 速水将大   0安打
育3 永島田輝斗  0回
育4 村山亮介   0安打

 

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで93Pになります。


1位の松川は高卒捕手ながら開幕スタメンに抜擢。1年目から70試合でスタメン起用されました。最も印象的だったのは、佐々木をリードして完全試合を達成したことでしょうか。打撃の方では打.173でops.445に終わりました。井口監督からはかなり贔屓されて起用されていましたが、来年度からは新監督の元でどのくらい起用されるのでしょうか。


3位の廣畑と5位の八木は、共に即戦力を期待された大卒社会人右腕。廣畑の方は防御率4.91、八木の方は3.63と、戦力になったとまでは言えないか。

2021年ドラフト<阪神タイガーズ編>

この年のタイガースの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2022シーズン終了までの通算成績になります。)

 

外れ 小園健太
1位 森木大智  8.2回
2位 鈴木勇斗  0回
3位 桐敷拓馬 14.1回
4位 前川右京  0安打
5位 岡留英貴  0回
6位 豊田寛   0安打
7位 中川勇斗  0安打
育1 伊藤稜   0回

 

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで23Pになります。


1位は小園を外して森木を指名。ファームでは14登板(10先発)して防御率4.08、一軍で2試合に先発して2敗という1年目を過ごしました。ライバルの小園や風間と比べて多くの実戦経験を積んだことは好材料でしょう。1軍登板では最速154キロの球威のあるフォーシームを披露しており今後が楽しみです。


2位3位で大卒左腕を指名したのですが、結果が出たのは3位の桐敷の方です。1軍で7登板(3先発)して3敗。防御率は5.02でしたが、K/BBは4.00と光るものを見せます。ファームでは74.2イニング投げて防御率は0.72、K/BBは3.00と無双していました。来季は1軍でさらなる経験を積みたいところですね。


4位の前川は夏の甲子園を沸かせた高卒左打ち外野手。怪我のためにあまり実戦経験を積むことはできませんでしたが、それでもファームで64打席でops.731の成績を残しました。守備力は乏しいタイプなので代走や守備固めから1軍に出場するというのはイメージしにくく、打力でのアピールが求められるのは厳しいですが、少ないチャンスをものにしてほしい。


5位の岡留は大卒のサイドハンド右腕。ファームでは36登板で防御率1.54、K/BBは3.63の好成績なのですが、一軍のリリーフ陣には食い込むことができず。桐敷もそうですが、一軍の投手層が厚いのがルーキーにとっては不運か。


6位の豊田は大卒社会人の外野手。右打ち野手の不足しているタイガースにとっての即戦力補強。糸原や中野などがこのタイプの指名で結果を出していますが、豊田はアピールできず。今年のドラフトでは同じ右打ち外野手の森下を1位で指名しているので、チャンスはそう多くなさそうな雰囲気です。


7位の中川は高卒捕手。ファームで103打席ですがops.835にBB/K0.44と、高卒1年目にしては出色の数値を見せます。梅野の次世代の正捕手としては榮田が今のところ一番手だとは思いますが、一気に中川に代替わりできるようだとおもしろいですね。