ドラフトの通信簿

NPBドラフトにおける、各球団の指名結果を採点します。

2018年ドラフト<北海道日本ハムファイターズ編>

この年のファイターズの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2019シーズン終了までの通算成績になります。)
そろそろ、一軍成績だけで語れる年ではなくなってきたので、2軍成績にも言及してまいります。

 

外れ 根尾昂
1位 吉田輝星 11回
2位 野村佑希  0安打
3位 生田目翼  8回
4位 万波中正  0安打
5位 柿木蓮   0回
6位 田宮裕涼  0安打
7位 福田俊   0回
育1 海老原一佳 0安打

 

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで19Pになります。


最初に根尾のクジを外してしまいますが、外れ1位で夏の甲子園で1番のスターだった吉田をゲット。そこから、2位野村・4位万波・5位柿木と、甲子園で活躍した選手を次々指名するという、ミーハーな感じの指名となりました。獲得ポイントは少ないですが、このドラフトの成果がわかるのはまだもう少し先でしょう。


さて、1位の吉田は1年目から1軍で4先発しますが、防御率は12.27と、まだまだ1軍レベルには程遠い内容でした。2軍成績は、18試合に登板して2勝6敗の防御率4.35と、こちらもまだまだといったところです。回転数の高いフォーシームは魅力ですので、着実にレベルアップしてほしいですね。


昨季のファーム野手成績はあとでまとめて触れますが、2位野村に関してはまだ特徴の見えてこない成績、4位万波は長打力は魅力だがまだまだ荒い成績でした。
5位の柿木は、2軍で26試合に登板して2勝4敗の防御率8.24という成績。奪三振数より与四球の方が多いので、制球力不足を感じますね。今のところ、やはり吉田の方がレベルが上です。

2018年ドラフト<横浜Denaベイスターズ編>

この年のベイスターズの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2019シーズン終了までの通算成績になります。)
そろそろ、一軍成績だけで語れる年ではなくなってきたので、2軍成績にも言及してまいります。

 

外れ 小園海斗
1位 上茶谷大河 134回(2球団競合)
2位 伊藤裕季也  15安打
3位 大貫晋一   66.2回
4位 勝又温史    0回
5位 益子京右    0安打
6位 知野直人    0安打
育1 宮城滝太    0回

 

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで215.2Pになります。


二遊間はベイスターズの泣き所。1位で遊撃手の小園を狙いますが外してしまいます(これが1年後の2019年ドラフトでの森敬斗の指名に繋がっていきます。)。
すると、一転して外れ1位では即戦力右腕の上茶谷を獲得します。上茶谷は1年目からローテーションに収まり、24先発で7勝6敗の成績を残しました。近年のベイスターズ、ドラ1の即戦力投手は(柿田を除いて)外れがないですね。


2位の伊藤は、二塁手として15試合にスタメン出場すると、4本塁打OPS.929の好成績を残します。レギュラー不在のポジションですが、伊藤のレギュラー獲りに期待がかかります。チームが背番号4を与えたところからみて、期待は大きそうです。


3位の大貫は昨季、15先発して6勝5敗の成績を残しました。今季は、開幕ローテの当確線上にあるようですが、出番は多そうです。

2018年ドラフト<オリックスバファローズ編>

この年のバファローズの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2019シーズン終了までの通算成績になります。)
そろそろ、一軍成績だけで語れる年ではなくなってきたので、2軍成績にも言及してまいります。

 

外れ 小園海斗
1位 太田椋    0安打
2位 頓宮裕真  18安打
3位 荒西祐大  51.2回
4位 富山凌雅   2回
5位 宜保翔    6安打
6位 左澤優    3回
7位 中川圭太 105安打
育1 漆原大晟   0回

 

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで185.2Pになります。


1位で小園を外した後、同じ高校生遊撃手の太田を指名します。夏の高校野球では奈良大会決勝で姿を消したため、甲子園でのアピールとはならなかったのですが、ポテンシャルはBIG3並みと言われていました。1年目の2019年シーズンは、1軍では安打を打つことはできませんでしたが、ファームでの成績はBIG3よりも上でした。バファローズファンは期待していいと思います。


2位の頓宮は捕手でしたがプロ入り後に三塁手にコンバートされ、昨季は三塁で23試合スタメン起用されます。打力を買われての起用だったのですが、不慣れな三塁守備のせいなのか、3本塁打を放つものの打率は2割を切ってしまいます。後ほど、ファーム成績をご紹介しますが、ファームではやることがもうないというくらいの打撃成績を上げており、打撃力は間違いありません。今季は本人の志願で再度捕手に挑戦。バファローズの正捕手の若月は守備は一流ですが打撃は頼りない。ここで、打撃が魅力の頓宮が伸びてくると楽しみですね。


3位の荒西は高卒から社会人野球を8年経験してプロ入りした苦労人。昨季は8先発を果たしました。今季は開幕ローテ入りが噂されています。


7位の中川は「PL学園最後のプロ野球選手」(今後、野球部が再開されてプロ野球選手を輩出する可能性がありますが、今のところ。)。昨季はルーキーながら111試合に出場しました。右翼で41試合、三塁で28試合、一塁で24試合と、多様なポジションでのスタメンを果たしましたが、今季は三塁手レギュラーに挑戦のようです。長らくこのポジションに困ってきたバファローズだけに、中川がレギュラーに収まると大きいですね。

2018年ドラフト<中日ドラゴンズ編>

この年のドラゴンズの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2019シーズン終了までの通算成績になります。)
そろそろ、一軍成績だけで語れる年ではなくなってきたので、2軍成績にも言及してまいります。

 

1位 根尾昂   0安打(4球団競合)
2位 梅津晃大 34.2回
3位 勝野昌慶 16.1回
4位 石橋康太  1安打
5位 垣越建伸  0回
6位 滝野要   0安打

 

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで51Pになります。


1巡目で「高校BIG3」の一角、根尾のアタリくじを引くことに成功します。明るい話題の少なかったチームにおいて、この根尾の獲得で新しい時代が始まっていきそうな、そんな明るい予感がドラフト直後には漂っていたと記憶しています。さて、そんな根尾なのですが、1年目は0安打に終わります。ファーム成績を後ほど特集しますが、ファームでもプロの壁に突き当たっている様子です。遊撃手が本職ですが、京田がいよいよ充実してきていますので、遊撃手にこだわっていてはなかなか出番がないでしょう。今季は外野手にも挑戦するようです。


さて、覚えておきたいのは2位の梅津。1年目から6先発すると4勝1敗の成績を残しました。フォーシームの平均球速は146キロを超える剛腕。もしかすると、エースに育つかもしれない素材です。

2018年ドラフト<千葉ロッテマリーンズ編>

この年のマリーンズの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2019シーズン終了までの通算成績になります。)
そろそろ、一軍成績だけで語れる年ではなくなってきたので、2軍成績にも言及してまいります。

 

1位 藤原恭大  2安打(3球団競合)
2位 東妻勇輔 21回
3位 小島和哉 54.1回
4位 山口航輝  0安打
5位 中村稔弥 25回
6位 古谷拓郎  0回
7位 松田進   1安打
8位 土居豪人  0回
育1 鎌田光津希 0回

 

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで103.1Pになります。


1巡目で「高校BIG3」の一角、藤原のアタリくじを引くことに成功します。(ロッテは近年、クジ運が強いイメージがありますね…)その藤原の1年目は2安打に終わります。ファーム成績を後ほど特集しますが、ファームでもプロの壁に突き当たっている様子です。今季は2軍でそれなりな成績を残すことがまずは目標でしょうね。


2位の東妻は、球威あるフォーシームと切れ味鋭い高速フォークが魅力の投手。課題は制球で、ここが改善されると、セットアッパーやクローザーとしての起用が見えてきます。


3位の小島はマリーンズに貴重な先発左腕です。昨季は10先発して3勝5敗とまずまずの成績を残しました。

2018年ドラフト<阪神タイガース編>

この年のタイガースの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2019シーズン終了までの通算成績になります。)
そろそろ、一軍成績だけで語れる年ではなくなってきたので、2軍成績にも言及してまいります。

 

外れ 藤原恭大
外れ 辰己涼介
1位 近本光司 159安打
2位 小幡竜平   0安打
3位 木浪聖也  95安打
4位 齋藤友貴哉  2回
5位 川原陸    0回
6位 湯浅京己   0回
育1 片山雄哉   0安打

 

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで256Pになります。


藤原・辰巳と2連続で外野手のクジを外した後、近本の指名となりました。どうしても外野手がほしいという苦しいチーム事情はわかりますが、近本が小柄でスケール感がなかったことから、いつまで赤星の幻影を追い続けるんだと、ファンからの評価は低かったように思います。ところが、開幕から中堅手のレギュラーにあっさりと収まると、セリーグの新人安打記録を更新して盗塁王のタイトルを手にし、ファンの手のひらを返させてみせました。ぱっと見で赤星と同じような特性の選手なのかと思いきや、打率はそれなり(.271)ながらも出塁率は低く(.313)、小兵ながら長打力(9HR)があります。1年目としては大活躍ですが、さらなるレベルアップを求めたいですね。


また、近本と共に開幕戦でスタメン起用されたのが、木浪。88試合で遊撃手としてスタメン起用されましたが、守備が酷い。そしてレギュラー争いをする北條(37試合でスタメン起用)もまたミスが多い。と、タイガースの守備崩壊を象徴する選手になってしまいました。そして守備に目をつむっても起用したくなるほど打つというわけでもない…個人的には、木浪は遊撃手としては無理と思っているのですが、今季はどのような起用になるでしょうか。


期待株は、2位の小幡。将来の遊撃手のレギュラー候補として、ファームで経験を重ねています。

2018年ドラフト<東北楽天ゴールデンイーグルス編>

この年のイーグルスの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2019シーズン終了までの通算成績になります。)
そろそろ、一軍成績だけで語れる年ではなくなってきたので、2軍成績にも言及してまいります。

 

外れ 藤原恭大
1位 辰己涼介 72安打(4球団競合)
2位 太田光  21安打
3位 引地秀一郎 0回
4位 弓削隼人 43.1回
5位 佐藤智輝  0回
6位 渡邊佳明 49安打
7位 小郷裕哉  5安打
8位 鈴木翔天  0回
育1 清宮虎多朗 0回
育2 則本佳樹  0回

 

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで190.1Pになります。


1位の辰巳は外れ1位ながら4球団が競合した逸材。ルーキーにして既に球界トップクラスの外野守備力を誇り、田中和基の故障離脱後には中堅手のレギュラーに定着しました。打撃の方はまだまだですが、守備が良いだけに起用はしやすく、経験値を積むことで打撃がどんどん磨かれていくような気がします。今季は、田中やオコエとのレギュラー争いが予想されていますが、ライバルより一歩リードでしょう。


2位の太田は正捕手候補。昨季は34試合でスタメン起用されました。イーグルスが嶋を放出したのは、彼への期待値が高いからだろうと思われます。今季は、堀内(2015年4位、昨季は52試合でスタメン起用)との正捕手争いが本格化します。安定感のある堀内と、大器の予感漂う太田、2人でイーグルスの守備を盛り上げてほしいですね。


さて、1位2位がアタリっぽいと良いドラフトのような気がしてきますが、この年はこの2名だけではありません。4位の弓削は昨季は7先発、今季も先発ローテの一角が期待されています。6位の渡邊は本職が内野ながらも外野も守れるユーティリティさで、一軍に欠かせない存在です。