ドラフトの通信簿

NPBドラフトにおける、各球団の指名結果を採点します。

ドラフト1位指名<阪神タイガース編>

今回見ていくのは、阪神タイガースの1位指名です。

  

2008 簫     8.1
2009 二神   40.2
2010 榎田  499
2011 伊藤  154
2012 藤浪  803
2013 岩貞  478.2
2014 横山   33.2
2015 髙山  313
2016 大山  281
2017 馬場   12
2018 近本  159
2019 西

 

1P=1安打=1回とすると、ドラフト1位指名選手が獲得したポイントは、トータルで2783.1Pになります。
野手4人に対して投手8人と比率自体は標準的です。2013年までは伊藤以外は投手、2014年以降は馬場と西以外は野手(馬場は投手ですが、清宮を外し、安田を外しての、指名でした。)と、はっきりと傾向が変わりました。


簫、二神、伊藤隼は、鳴かず飛ばず。スカウトは一体何を見ていたんだ?と疑いたい、大失敗の指名です。榎田は即戦力の期待に応えて1年目から活躍しますが、3年で息切れ。ライオンズに移籍して1年目こそは11勝をあげる大活躍でしたが、2年目以降は苦しい。


藤浪は1年目から順調に成長していくのですが、4年目に極端な制球難に陥り、2019年シーズンは1登板しかできませんでした。今季は先発としてスタートするも二軍落ち、その後複数選手の新型コロナ感染による大量の選手の入れ替えを機に昇格後、リリーフとして起用されると勝ち継投パターンにハマりました。来季以降、リリーフで行くのか、先発に復帰するのか、起用法が注目されます。(個人的には、普通にセットアッパーやクローザーにしてしまうのではなく、オープナーとして週2回先発させるなど、おもしろい起用法に期待したいです。)


岩貞は、好調時にはこれは間違いのない先発投手だなというピッチングを披露するのですが、継続的な安定性に欠けました。今季は開幕は先発としてスタートするも、シーズン途中からリリーフに転向、リリーフとしてはセットアッパーの岩崎と遜色のないパフォーマンスで、適性はありそうです。ただ、藤浪・岩貞と、左右のエースになる期待のあった逸材を、先発として育てきれずにリリーフにしてしまうところが悲しい。開き直ってブルペンを大充実させ、MLB流にブルペンデーを取り入れてはどうかなと思います。


横山は左肩手術で育成落ちを経て、今季2年ぶりに支配下登録されました。復帰後のピッチングを見ましたが、手術前のような輝きは感じませんね。まだ26歳ですから、今後の成長に期待したいです。


さて、2015年以降には、生え抜き野手の育成に本気になっていきます。このチームは生え抜き野手がまともに育たないことを延々と批判されていますが、育ててモノになるような野手をドラフトで獲得していない、投手偏重の指名が1番の問題であったと思います。髙山は新人王を獲得するもその後は苦しいシーズンを送っていますが、大山と近本はチームの柱に成長していきました。