ドラフトの通信簿

NPBドラフトにおける、各球団の指名結果を採点します。

ドラフト2位指名<阪神タイガース編>

今回見ていくのは、阪神タイガースの2位指名です。

  

2008 柴田 119
2009 藤原  60.2
2010 一二三  0
2011 歳内  80.1
2012 北條 271
2013 横田  20  
2014 石崎  71
2015 坂本  46
2016 小野 216.2
2017 髙橋 144.1
2018 小幡   0
2019 井上

 

1P=1安打=1回とすると、ドラフト2位指名選手が獲得したポイントは、トータルで1029Pになります。


柴田は中堅のレギュラー候補としての獲得でしたが、打撃も守備も今ひとつでした。藤原は大卒NO1左腕との触れ込みでしたが、鳴かず飛ばず(ドラフト後の評価なんてこんなものです。2020年のドラフト1~2位でも多くの大卒投手が指名されていましたが、果たして何人がNPBで通用することでしょうか。)。一二三は入団前からの肩痛とイップスを克服することができず、2年目で野手転向にも取り組みましたが成功しませんでした。歳内は鳴かず飛ばずで退団後、独立リーグで無双して、2020年にスワローズが獲得しました。2011年までの4人は酷いの一言で、スカウトの眼力を疑います。


北條はいいものを持っていると思うのですが、なかなか壁を突き破れないでいるうちに、2018年の9月に肩の亜脱臼で負傷します。以降は、特に守備能力が負傷前の水準から大きく落ちてしまいました。このチームに入っていなければ、もっと違う野球人生であったかもしれず、残念な印象があります。


横田は肉体のスケールが大きく、「糸井二世」の期待が寄せられていました。金本監督就任初年度の2016年には開幕スタメンに抜擢され、ここから飛躍が始まっていくと思われたのですが、翌年に脳腫瘍と診断され、以降1軍の場に戻ってくることはありませんでした。病さえなければと思わずにはいられません。


石崎はクローザー候補としての期待がかかる間違いのない素材かと思われましたが、怪我がちで登板機会そのものがあまりありませんでした。藤原共々、ドラフト後の投手の評価はあてにならないものだと、つくづく思わされます。


坂本は出番こそ少ないですが、梅野に次ぐ二番手捕手としてチームに欠かせない存在です。打力と壁性能では梅野に及びませんが、球界屈指のフレーミング能力を誇ります。


小野は直球の球威が魅力ということで獲得されました。全体的な完成度よりも、一芸をもった選手の獲得という方針だったのでしょう。直球の球威は確かにドラフト前の評判とおりでしたが、変化球にいいところがないのと、全体的な制球力不足を露呈し、一軍からは遠ざかっています。


2017年以降は、タイガースファン期待の若手が名を連ねます。

髙橋遥人は左腕エース候補。今シーズンはジャイアンツ相手に14奪三振で初完投しました。制球力に不安ありということで2位指名だったのだと思いますが、タイガースはこの手の左腕育成はうまいですね。

小幡は正遊撃手候補。体づくりはまだまだですが、高い守備能力と大型であることから期待度は高いです。井上はタイガースがなかなか獲得してこなかった、待望の大砲候補です。

この3人の成長度はこのチームの浮沈を左右しそうな気がします。