ドラフトの通信簿

NPBドラフトにおける、各球団の指名結果を採点します。

2020年ドラフト<広島東洋カープ編>

この年のカープの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2021シーズン終了までの通算成績になります。)

 

1位 栗林良吏 52.1回
2位 森浦大輔 48.1回
3位 大道温貴 53回
4位 小林樹斗  3.2回
5位 行木俊   0回
6位 矢野雅哉  0安打
育1 二俣翔一  0回

 

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで157.1Pになります。1位から3位までを即戦力投手という弱点補強的な指名ですが、単なる弱点補強ではなく、チームの強みをつくる指名になりました。


1位で大卒社会人の即戦力投手、栗林を一本釣り。ドラフトの時点で既に1年前の森下の指名と似た雰囲気を感じました。1年目からクローザーとして起用されると、防御率0.86で37セーブという凄まじい成績を残し、東京五輪では侍ジャパンのクローザーも務めました。日本人をクローザーに置くチームが少ない中、カープの強みになっています。(個人的には栗林に先発適性がないわけではないのに、チーム事情でクローザーに置いてしまうのはもったいない気がしています。リリーフは消耗が激しいですから、せっかくの逸材を使いつぶしてしまうよりは外国人に任せるのが簡単なのかなと…)


2位の森浦は防御率3.17で3勝3敗20ホールドと、左腕セットアッパーの役割にすっぽりと収まりました。栗林の活躍の陰に隠れがちですが、この2人の存在で終盤の安定感が大いに増しています。


3位の大道は開幕からリリーフとして起用されて安定感ある投球を続けていたのですが、5月に不調に陥ると、6月からは先発として起用されます。結果的には4勝4敗3ホールドと、即戦力として十分な働きでした。来季以降は先発とリリーフどちらで勝負するのか注目ですね。


4位の小林は高卒ルーキーですが、シーズン最終戦で初登板初先発を果たしました。結果的には6失点で勝ち負け付かずでしたが、チームからの期待を感じます。