ドラフトの通信簿

NPBドラフトにおける、各球団の指名結果を採点します。

2018年ドラフト<集計編>

さて、チーム毎に振り返ってきた2017年ドラフトですが、獲得ポイント順に並べると次の通りとなります。(ポイントの横は、獲得した主要選手です。カッコ内はまだ1軍で目だった結果は出していないものの、期待値の高い選手です。)

 

阪神  256   近本・木浪(小幡)
De  215.2 上茶谷・大貫(伊藤)
楽天  190.1 辰巳・弓削・渡邊(太田光
オリ  185.2 中川・荒西(太田椋・頓宮)
西武  132.1 松本(山野辺)
読売  103.2 髙橋(戸郷・山下)
ロッ  102.1 小島(藤原・東妻)
SB   94.1 甲斐野
ヤク   92.2 (中山)
広島   69.2 小園(林)
中日   51   梅津(根尾)
ハム   19   (吉田・野村・万浪)

 

この年のドラフト前には「高校BIG3 根尾・小園・藤原」のドラフトと言われていました。前年は「高校BIG3 清宮・安田・中村」のドラフトと言われながら、清宮に人気が集中したのに対して、この年はそのBIG3に指名が分散しました。唯一、ライオンズだけがBIG3には目もくれず、即戦力投手の松本を指名します。そして、夏の高校野球で一番のスターだった吉田がファイターズに入団したことも、話題になりましたね。
ドラフトから1年が経過したところでのポイントですが、高卒選手を多く指名したチームが下位に沈み、即戦力選手を獲得したチームが上位に来るという、当然と言えば当然の結果になりました。
1位は、新人王の近本を獲得したタイガース。このチームが1位になるのは2008年からドラフト結果を追ってきて初めてのことです。そして、2014年からずっと上位に来ているベイスターズがこの年も上茶谷を獲得して2位につけています。チームの勢いの根本はやはりドラフトから来ていますね。
3位のイーグルスと4位のバファローズは、即戦力と期待のプロスペクトの両方を抱えており、大充実のドラフトといえるでしょう。高校BIG3のような人気株のクジを当てることはできなくても、戦力補強は充分可能である好例です。
そして、そこから12位のファイターズまでみても、今後が楽しみな選手がたくさんいます。ドラフトから1年しか経過していないのですから当然と言えば当然なのですが、これらの選手が今後ポイントを稼いでいくことによって、このランキングが変わってくるのか楽しみですね。
さて、2008年からドラフト結果を追ってきたのですが、さすがに昨年の2019年ドラフトの結果をこの方式で評価することはできません。次回からは、2008年からのドラフトを、これまでと異なる切り口で分析してみようと思っています。

2018年ドラフト<野手ファーム成績編>

昨年度に続き、この年度も野手ファーム成績をまとめておこうかと思います。
ファームで2019年シーズンに300打席以上与えられた選手を中心に、名前・球団・打席数・OPS・BB/Kの順に記載しており、BB/Kの値でソートしています。
BB/K、つまり1回三振するまでに何個の四球を取るかを示す数値で選球眼の指標ですが、この数値が高いほど1軍で通用する可能性が高いと言われています。(OPSが高くてもBB/Kが低くミスの多い選手は、「二軍の帝王」化する可能性が高いです。)

<高卒選手>
山下 読売 育1 344 .843 .843
太田 オリ 1位 263 .743 .491
林  広島 3位 348 .674 .388
宜保 オリ 5位 417 .559 .382
野村 ハム 2位 307 .681 .319
小園 広島 1位 227 .605 .310
濱田 ヤク 4位 372 .710 .305
藤原 ロッ 1位 329 .619 .278
万波 ハム 4位 336 .742 .246
山口 ロッ 4位 310 .622 .225
根尾 中日 1位 444 .563 .220
小幡 阪神 2位 340 .541 .190
増田 読売 2位 (出場無し)

<大卒選手>
頓宮 オリ 2位  94    .847 1.222
太田 楽天 2位 171 .749 .769
小郷 楽天 7位 232 .742 .647
大盛 広島 育1 325 .599 .500
正髄 広島 6位 374 .610 .435
伊藤 De 2位 331 .712 .358
中山 ヤク 2位 280 .726 .313

<大卒社会人選手>
吉田 ヤク 8位 355 .668 .651
松田 ロッ 7位 337 .650 .623
山野辺 西武 3位 346 .812 .491

高卒1年目の成績ですので、分かってはいましたが全体的に酷いです。ただ一人、抜きんでた成績を残したのが、ジャイアンツの山下。「高校BIG3 根尾・小園・藤原」よりもずっと優れた成績を残しています。高卒1年目での支配下登録は球団史上初だそうですが、この成績ならば納得です。育成枠で獲れたというのは本当に幸運ですね。
さて、BIG3はというと、3人ともBB/Kが低く、プロのレベルへの適応に苦しんでいる様子がよくわかります。小園は1軍でも試合に出始めているのですが、まだまだ2軍でやることは多いように思えます。正遊撃手の田中の調子次第ですが、1軍で控えになるよりは2軍で修行させた方が良いように思えますね。
また、根尾や小園に近い評価を受けていた内野手が、太田椋。太田はBIG3よりも早くプロのレベルに適応し出したようです。また、万波はさすがのパワーですがまだまだ粗い。ここからどれくらいBB/Kを改善させていけるでしょうか。

大卒選手では頓宮と太田光、2人の捕手に注目。バファローズの正捕手の若月は守備は一流ですが打撃は頼りない。ここで、打撃が魅力の頓宮が伸びてくると、一気にレギュラーを奪うかもしれません。また、イーグルスは嶋を放出したのは、太田光がイケるという自信を持ったからではないかと推測しています。チームが期待を寄せるのも納得の成績です。
伊藤は既に1軍にて57打席でOPS.929と、なかなかの成績を残しているのですが、2軍でも1軍と同じく三振の多い成績ですね。これが彼の持ち味なのかな… 中山も同じく、既に1軍にて100打席でOPS.795ですが、2軍でも1軍と同じく三振の多い成績です。

大卒社会人では、山野辺への期待が大きいようです。12本塁打を放ってアピールしています。まだ、BB/Kが低いのですが、今季は1軍での出番はあるでしょうか。

2018年ドラフト<広島東洋カープ編>

この年のカープの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2019シーズン終了までの通算成績になります。)
そろそろ、一軍成績だけで語れる年ではなくなってきたので、2軍成績にも言及してまいります。

1位 小園海斗  40安打(4球団競合)
2位 島内颯太郎 28.2回
3位 林晃汰    0安打
4位 中神拓都   0安打
5位 田中法彦   0回
6位 正隨優弥   0安打
7位 羽月隆太郎  0安打
育1 大盛穂    0安打

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで69.2Pになります。
1位で高校BIG3の一角、小園を4球団競合の末に獲得します。1軍で正遊撃手の田中が絶不調に陥ったこともあり、1年目から1軍でかなり起用され、40安打を記録しました。小園はファームでそれほどの成績を残しているわけではないので、これだけやれたのは驚きではあります。1軍成績も2軍成績もまだまだ三振が多いので、田中が復調しているようであれば、まだ2軍で経験値を積ませた方がよいのではないかとも思います。
実は3位の林の方が小園よりもファーム成績は上。ドラフト3位で左打ちの高卒野手というと、丸を思い出します。彼のような大選手に育つでしょうか。小園共々、期待の選手です。

2018年ドラフト<埼玉西武ライオンズ編>

この年のライオンズの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2019シーズン終了までの通算成績になります。)
そろそろ、一軍成績だけで語れる年ではなくなってきたので、2軍成績にも言及してまいります。

1位 松本航  85.1回
2位 渡邉勇太朗 0回
3位 山野辺翔  1安打
4位 粟津凱士  2回
5位 牧野翔矢  0安打
6位 森脇亮介 31回
7位 佐藤龍世 13安打
育1 東野葵   0回
育2 大窪士夢  0回
育3 中熊大智  0安打

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで132.1Pになります。
野手育成に定評のあるライオンズですが、昨年に続いて高校BIG3をスルーして即戦力投手の松本を1位で指名します。さて、その松本、期待に応えて1年目から16先発して7勝4敗の成績を残します。ただ、制球力などはまだまだなので、さらなるレベルアップを求めたいですね。
3位の山野辺はファームで12本塁打を放ってアピールしました。大卒で社会人野球を経てますので、若くはありません。今季は1軍で実戦経験を積みたいところです。

2018年ドラフト<東京ヤクルトスワローズ編>

この年のスワローズの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2019シーズン終了までの通算成績になります。)
そろそろ、一軍成績だけで語れる年ではなくなってきたので、2軍成績にも言及してまいります。

外れ 根尾昴
外れ 上茶谷大河
1位 清水昇   26回
2位 中山翔太  28安打
3位 市川悠太   0回
4位 濱田太貴   0安打
5位 坂本光士郎 21.2回
6位 鈴木裕太   0回
7位 久保拓眞  11回
8位 吉田大成   6安打
育1 内山太嗣   0安打
育2 松本友    0安打

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで92.2Pになります。
1位の清水ですが、1年目は11登板して防御率7.27と、期待外れの成績に終わってしまいました。ここから巻き返すことができるでしょうか。
2位の中山はウェイトトレーニングで鍛え上げた屈強な肉体が目を引く選手です。1軍成績も2軍成績も三振が多いタイプなので、選球眼アップが課題でしょうか。

2018年ドラフト<福岡ソフトバンクホークス編>

この年のホークスの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2019シーズン終了までの通算成績になります。)
そろそろ、一軍成績だけで語れる年ではなくなってきたので、2軍成績にも言及してまいります。

外れ 小園海斗
外れ 辰己涼介
1位 甲斐野央 58.2回
2位 杉山一樹  4回
3位 野村大樹  1安打
4位 板東湧梧  0回
5位 水谷瞬   0安打
6位 泉圭輔  18.1回
7位 奥村政稔 12.1回
育1 渡邉陸   0安打
育2 岡本直也  0回
育3 重田倫明  0回
育4 中村宜聖  0安打

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで94.1Pになります。
1位指名は、高卒内野手(小園)→大卒外野手(辰巳)→大卒投手(甲斐野)となり、ジャイアンツ共々、方針がブレブレのように感じました。その甲斐野ですが、1年目から65試合に登板し、2勝5敗8セーブ26ホールドと即戦力リリーフとして大活躍します。しかしながら防御率は4.14、月別に成績を見ると、支配的な投球をした月と打ち込まれた月が交互にあります。もう少し大事に使うべきだったんじゃないのか…と思いましたが、今季開幕前に靭帯の一部損傷で故障しました。ホークスは何気にケガ人多いんですよね。

2018年ドラフト<読売ジャイアンツ編>

この年のジャイアンツの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2019シーズン終了までの通算成績になります。)
そろそろ、一軍成績だけで語れる年ではなくなってきたので、2軍成績にも言及してまいります。

外れ 根尾昴
外れ 辰己涼介
1位 高橋優貴 93回
2位 増田陸   0安打
3位 直江大輔  0回
4位 横川凱   0回
5位 松井義弥  0安打
6位 戸郷翔征  8.2回
育1 山下航汰  2安打
育2 平井快青  0回
育3 沼田翔平  0回
育4 黒田響生  0安打

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで103.2Pになります。

1位指名は、高卒内野手(根尾)→大卒外野手(辰巳)→大卒投手(高橋)となり、方針がブレブレのように感じました。ところが、高橋は1年目から18先発して5勝7敗、防御率3.19の好成績を残します。今季のジャイアンツは先発の駒が不足気味ですので、高橋の獲得は成功でしたね。
さて、2位以下は全て高校生の指名という、なかなか極端な指名です。注目したいのは、6位の戸郷と育成1位の山下。戸郷は二軍で11試合に登板し、4勝1敗の防御率3.00、44奪三振 に対して与四球はたった8という好成績を残します。すると、シーズン終盤に1軍昇格し、リーグ優勝のかかった大一番で先発(勝ち負け付かず)、その後の試合でリリーフから1勝を上げると、日本シリーズでも登板を果たしました。オフには背番号を13に変更し、監督からの期待の高さを感じます。山下は、同世代と比較して、ファームで突出した成績を残し、球団史上初の高卒1年目での支配下登録を勝ち取りました。6位&育成1位のシンデレラボーイ2名の飛躍が楽しみですね。