ドラフトの通信簿

NPBドラフトにおける、各球団の指名結果を採点します。

2016年ドラフト<千葉ロッテマリーンズ編>

この年のマリーンズの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2019シーズン終了までの通算成績になります。)

外れ 田中正義
1位 佐々木千隼 117.1回(5球団競合)
2位 酒居知史  216回
3位 島孝明     0回
4位 土肥星也   79.1回
5位 有吉優樹  166.2回
6位 種市篤暉  155回
7位 宗接唯人    0安打
育1 安江嘉純    0回
育2 菅原祥太    0安打

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで734.1Pになります。
1位指名で田中のクジを外すのですが、外れ1位ながらも5球団競合であった佐々木のクジを引き当てます。その佐々木は、1年目こそ14先発しますが、2年目は故障で一軍未登板に終わります。3年目の7月に一軍に戻ってくると6先発して防御率2.53の成績を残しました。今季は5球団競合の実力披露となるでしょうか。
2位の酒居は3年目の昨季には、54試合に登板し20ホールドを記録します。しかし、シーズンオフには美馬の人的補償としてイーグルスに移籍となりました。防御率4.37と安定感を欠いたことが放出の原因でしょうか?
5位の有吉は2年目に15先発しますが、3年目の昨季にはわずか2先発に終わってしまいます。
6位の種市は3年目の昨季に17先発しており、今季も当然のようにローテ入りが期待されています。マリーンズの投手陣若返りの象徴になっている選手ですが、期待に応えることができるか注目ですね。

2016年ドラフト<阪神タイガース編>

この年のタイガースの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2019シーズン終了までの通算成績になります。)

1位 大山悠輔 281安打
2位 小野泰己 216.2回
3位 才木浩人 100回
4位 浜地真澄  28回
5位 糸原健斗 325安打
6位 福永春吾   8回
7位 長坂拳弥   2安打
8位 藤谷洸介   0回・安打

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで960.2Pになります。
ドラフト時には、佐々木千隼の一本釣りというファンの期待が空振りになり、厳しい目が向けられることになってしまった大山。入団前からはやくもタイガースというチームの宿痾を体感することになってしまったですが、1年目から7本塁打を放ち、大山でよかったんや!とファンの手のひらを返させました。3年目の昨季は143試合全試合に出場しましたが、今季の大山のレギュラーは外国人補強により剥奪されています。今季、大山にどのくらいの出番があるのか注目です。
2位の小野は、1年目に15先発、2年目に23先発します。直球の球威は充分なのですが、制球難が改善せず、3年目には出番を失ってしまいました。今季はリリーフを務める可能性が濃厚ですが、成長をみせることができるでしょうか。
3位の才木と4位の浜地は、将来性豊かな高卒右腕です。望月(2015年4位)と共に、まだまだ期待で語られる選手ですが、今季は戦力として計算できるところまで成長してほしいですね。
5位の糸原は2年目に二塁手のレギュラーをつかみます。選球眼が良いため、安打だけでなく四球による出塁も期待できるところが魅力。欠点は、対左投手が苦手という傾向が昨季からはっきりと目立つことと、守備がお世辞にもうまいとはいえないところ。チームのキャプテンを任されており期待値は高いのだと思いますが、北條木浪植田と競争相手は多く、スタメンの座は安泰ではありません。

2016年ドラフト<埼玉西武ライオンズ編>

この年のライオンズの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2019シーズン終了までの通算成績になります。)

1位 今井達也 214回
2位 中塚駿太   2.2回
3位 源田壮亮 468安打
4位 鈴木将平   4安打
5位 平井克典 180.1回
6位 田村伊知郎 26.2回

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで895.2Pになります。
3位の源田は1年目で遊撃手のレギュラーを獲得しました。今、セパ通じてNO1の守備力の遊撃手だと思います。ドラフト前には、吉川(読売)と京田(中日)が有望な内野手として注目されていましたが、その二人の他にもこんな有望株がいたわけで、見つけてくるライオンズのスカウト力は確かですね。
この年は源田だけではありません、5位の平井はセットアッパーとして2019年には81試合に登板しました(登板過多の心配もありますが)。チームに欠かせないピースになっていますね。
1位の今井は2年目に15先発・3年目に22先発と、着実に出番を増やしています。順当にいけば4年目の今年もローテの一角を担うと思われます。制球に課題があり四球が多いのですが、成長したところを見せてくれるでしょうか。

2016年ドラフト<東京ヤクルトスワローズ編>

この年のスワローズの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2019シーズン終了までの通算成績になります。)

1位 寺島成輝   9回
2位 星知弥  154.1回
3位 梅野雄吾 102.1回
4位 中尾輝   72回
5位 古賀優大   4安打
6位 菊沢竜佑   3回
育1 大村孟    2安打

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで346.2Pになります。
3位梅野は3年目の2019年にブレイク、セットアッパーとしてブルペンを支えます。1位寺島はまだドラ1らしい輝きをみせていません。2位星は1年目に18先発しますが、その後はパッとしませんね…

2016年ドラフト<東北楽天ゴールデンイーグルス編>

この年のイーグルスの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2019シーズン終了までの通算成績になります。)

1位 藤平尚真 133.1回
2位 池田隆英  42.2回
3位 田中和基 148安打
4位 菅原秀   87.1回
5位 森原康平 120.1回
6位 鶴田圭祐   0回
7位 野元浩輝   0回
8位 石原彪    1安打
9位 高梨雄平 123回
10位 西口直人   7.2回
育1 千葉耕太   0回
育2 南要輔    0安打
育3 向谷拓巳   0安打
育4 木村敏靖   0回

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで663.1Pになります。
1位の藤平は今シーズンが高卒4年目。2019年シーズンは一軍登板こそ3試合に留まりましたが、ファームで9勝2敗で最多奪三振のタイトルを手にしました。今年こそは1軍を主戦場としてブレイクしたいところです。
3位の田中は2年目にブレイクし、新人王のタイトルを手にします。しかし、翌2019年シーズンは開幕直後に骨折してしまいました。今年は復活の年になるでしょうか。
5位の森原と9位の高梨は、共に1年目からブルペンを支えます。この年の指名で一気にブルペン強化に成功しました。

2016年ドラフト<中日ドラゴンズ編>

この年のドラゴンズの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2019シーズン終了までの通算成績になります。)

1位 柳裕也  274.1回(2球団競合)
2位 京田陽太 411安打
3位 石垣雅海   2安打
4位 笠原祥太郎192回
5位 藤嶋健人 100.1回
6位 丸山泰資  12回
育1 木下雄介  23回

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで1014.2Pになります。
この年のドラゴンズの指名は非常に充実しています。1位の柳はエース候補ですね。1年目は制球はまとまっているけれども球威不足で、こりゃ厳しいかなと思ったのですが、球威が増してきました。
2位の京田は1年目から遊撃手のレギュラーを獲得しました。打力は物足りないですが、守備の方はセリーグのショートでNO1ではないでしょうか。
4位の笠原は2年目の2018年に17先発し、2019年には開幕投手を務めます。しかし、4月末に不整脈を発症し、シーズン通して8先発に留まってしまいました。2018年の小笠原と2年続けて開幕投手の受難です。
5位の藤嶋は守護神候補。フォーシームの平均球速は142キロ程度なのですが、破格の回転数で空振りを奪います。上原浩治を思い出させる投手です。

2016年ドラフト<オリックスバファローズ編>

この年のバファローズの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2019シーズン終了までの通算成績になります。)

1位 山岡泰輔 465.1回
2位 黒木優太  87.1回
3位 岡崎大輔   2安打
4位 山本由伸 219.2回
5位 小林慶祐  67回
6位 山崎颯一郎  0回
7位 飯田大祐   0安打
8位 澤田圭佑  88.2回
9位 根本薫    0安打
育1 張奕    27.1回
育2 榊原翼   97.1回
育3 神戸文也  21回
育4 坂本一将   0安打
育5 中道勝士   0安打

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで1075.2Pになります。
一体、バファローズになにが起きているんだ…という神ドラフト。投手が大豊作でした。

1位山岡と4位山本でダブルエースを一挙に獲得してしまいます。山岡はアマ球界で大活躍していたのですが、華奢な体格を不安視するチームが多かったのか、バファローズが一本釣りに成功。一年目から先発ローテに定着します。山本は2年目の2018年にセットアッパーとして活躍、オールスターに出場して名前を売ると、翌2019年には20先発して防御率1.95と神がかった成績を残します。
育成2位の榊原は2019年に開幕ローテ入りすると、10試合連続でQSを記録。7月には故障で一軍から離れ、シーズン通算は3勝4敗に終わりましたが、今後が楽しみな先発投手です。
2位黒木は1年目からセットアッパーを務めるのですが、2019年にトミージョン手術を受け、育成選手として再出発。8位澤田は2年目から頭角を現し、3年目の2019年にはセットアッパーを務めるのですが、5月末に故障してしまいます。この2人が戻ってくるなら、また戦力になることは間違いありません。育成1位の台湾人の張は、外野手として入団後に投手転向した変わり種。まだ粗削りな素材ですが、ポテンシャルを感じます。