ドラフトの通信簿

NPBドラフトにおける、各球団の指名結果を採点します。

2019年ドラフト<埼玉西武ライオンズ編>

この年の埼玉西武ライオンズの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2020シーズン終了までの通算成績になります。)

 
外れ 佐々木朗希
1位 宮川哲  44.2回(2球団競合)
2位 浜屋将太 50.2回
3位 松岡洸希  2回
4位 川野涼多  0安打
5位 柘植世那  7安打
6位 井上広輝  0回
7位 上間永遠  0回
8位 岸潤一郎  0安打
育1 出井敏博  0回

 

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで104.1Pになります。


佐々木を外した後は、即戦力を求めて大卒社会人の宮川を指名。1年目から49試合に登板し、2勝1敗13Hの活躍でした、防御率は3.83ということで、セットアッパーを任せるにはもう少し安定感がほしいところです。


2位の浜屋は高卒社会人の左腕。8先発で3勝3敗、防御率は4.97でした。年齢的には2020年ドラフトの大卒と同じということで、まだまだ伸びしろも感じられます。

2019年ドラフト<読売ジャイアンツ編>

この年の読売ジャイアンツの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2020シーズン終了までの通算成績になります。)

 
外れ 奥川恭伸
外れ 宮川哲
1位 堀田賢慎  0回
2位 太田龍   0回
3位 菊田拡和  0安打
4位 井上温大  0回
5位 山瀬慎之助 0安打
6位 伊藤海斗  0安打
育1 平間隼人  0安打
育2 加藤壮太  0安打

 

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで0Pになります。2位の太田が高卒社会人、1,3~6位は高卒選手ということもあり、ポイントは出ませんでした。


1位の堀田ですが、入団直後の4月3日にトミージョン手術を受け、今オフに自由契約→育成再契約となりました。これはさすがに担当スカウトの失態だと思います…ドラ1がこんなスピードで壊れるのはみたことがありません。

2019年ドラフト<福岡ソフトバンクホークス編>

この年の福岡ソフトバンクホークスの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2020シーズン終了までの通算成績になります。)

 
外れ 石川昂弥
1位 佐藤直樹  0安打
2位 海野隆司  0安打
3位 津森宥紀 16.1回
4位 小林珠維  0安打
5位 柳町達   1安打
育1 石塚綜一郎 0安打
育2 大関友久  0回
育3 伊藤大将  0安打
育4 勝連大稀  0安打
育5 舟越秀虎  0安打
育6 荒木翔太  0安打
育7 村上舜   0回

 

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで17.1Pになります。


松田に代わる三塁手が補強ポイントのホークス、石川を指名しますが、これは外れ。結局、高卒社会人外野手の佐藤を指名しますが、今季のファーム成績はなかなか厳しいものでした。


2位の海野は大卒捕手。1軍で1試合、スタメンを経験しました。ホークスの正捕手は甲斐ですが、二番手捕手の高谷は来年で40歳、栗原はコンバートの可能性があるというところで、九鬼と海野の出番が増えてきそうな予感です。


3位の津森は大卒右腕。14登板で防御率2.76、初勝利も記録しました。


ファーム成績では佐藤よりずっと良かったのが、5位の柳町。1軍でも1安打を記録しました。

2019年ドラフト<横浜Denaベイスターズ編>

この年の横浜Denaベイスターズの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2020シーズン終了までの通算成績になります。)

 
1位 森敬斗   3安打
2位 坂本裕哉 46回
3位 伊勢大夢 35回
4位 東妻純平  0安打
5位 田部隼人  0安打
6位 蝦名達夫  3安打
7位 浅田将汰  0回

 

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで87Pになります。


この1年前のドラフトでは、小園を指名して外してしまったベイスターズ。今年こそはと、高卒内野手の森を1位指名します。1年目の今季はファームでも苦戦しました。レギュラー取りには時間がかかりそうな感じです。


2位の坂本は大卒の左腕。今季は10先発で4勝1敗、防御率5.67の成績を残しました。勝つには勝っていますが、内容はあまりよくないので、もう一段のレベルアップが必要という感じですね。


3位の伊勢は大卒の右腕。33登板で防御率1.80と安定感を見せました。来季はセットアッパーに昇格でしょうか。

2019年ドラフト<東北楽天ゴールデンイーグルス編>

この年の東北楽天ゴールデンイーグルスの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2020シーズン終了までの通算成績になります。)

 

外れ 佐々木朗希
1位 小深田大翔 109安打
2位 黒川史陽    2安打
3位 津留﨑大成  34.1回
4位 武藤敦貴    0安打
5位 福森耀真    0回
6位 瀧中瞭太   45回
7位 水上桂     0安打
育1 江川侑斗    0安打
育2 小峯新陸    0安打
育3 山崎真彰    0安打
育4 澤野聖悠    0安打

 

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで190.1Pになります。


佐々木のクジを外してしまった後は、即戦力内野手の小深田を指名します。この際、小深田が小柄な体格であること、石井GMが自らの眼力に自信満々(どこか挑戦的な雰囲気を漂わせているように見えました。)であったことなどから、ファンやメディアからはその獲得を疑問視する声が多く上がりました。(大阪ガスの先輩である近本がタイガースから指名を受けた際の雰囲気を思い出しました。)

開幕後は、代走守備固めから始まり、二塁でスタメン起用されると安打を量産、茂木を三塁に追いやって遊撃手のレギュラーに収まる大活躍でした。結果的には、浅村・鈴木大地・茂木・小深田と、計算のできる選手が内野にひしめき、浅村を一塁やDHで休ませながら運用できる余裕の体制が整備されました。惜しくも新人王のタイトルはライオンズの平良に譲りましたが、大成功の1年目です。


先日の記事でファーム成績を確認したところですが、この世代で一番期待できそうなのが、黒川。将来的には二塁手のレギュラー獲りが期待できそうです。


瀧中は大卒で社会人を経た右腕。9月に一軍昇格すると、8先発で2勝1敗、防御率3.40の成績を残しました。来年度は先発ローテに定着できるでしょうか。このくらいの指名順位の投手は中継ぎになることが多いですが、先発で勝負できそうなのは貴重です。

2019年ドラフト<阪神タイガース編>

この年の阪神タイガースの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2020シーズン終了までの通算成績になります。)

 
外れ 奥川恭伸
1位 西純矢   0回
2位 井上広大  1安打
3位 及川雅貴  0回
4位 遠藤成   0安打
5位 藤田健斗  0安打
6位 小川一平 21回
育1 小野寺暖  0安打
育2 奥山皓太  0安打

 

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで22Pになります。


奥川のクジを外してしまった後は、即戦力ではなくポテンシャルを求めて、高卒投手の西を指名します。その後も5位まで高校生を指名するという思い切ったドラフト指名になりました。


小川はファームではやることがないというくらい抑えるのですが、一軍では打ち込まれていました。こういうところを見ると、一軍と二軍の違いを感じます。

2019年ドラフト<野手ファーム成績編>

12球団中、6球団を見てきたところですが、ここで、野手ファーム成績をまとめておこうかと思います。
ファームで2020年シーズンに約150打席以上与えられた選手を、名前・球団・打席数・OPS・BB/Kの順に記載しており、BB/Kの値でソートしています。
BB/K、つまり1回三振するまでに何個の四球を取るかを示す数値で選球眼の指標ですが、この数値が高いほど1軍で通用する可能性が高いと言われています。(OPSが高くてもBB/Kが低くミスの多い選手は、「二軍の帝王」化する可能性が高いです。)

 

<高卒選手>
黒川 楽天 2位 248 .755 .629
木下 広島 育2 201 .547 .545
武岡 ヤク 6位 277 .591 .518 
石川 中日 1位 238 .754 .491
川野 西武 4位 176 .682 .488
長岡 ヤク 5位 268 .585 .479 
岡林 中日 5位 236 .679 .395 
韮澤 広島 4位 236 .547 .367 
井上 阪神 2位 280 .698 .302
紅林 オリ 2位 338 .550 .277 
森  De 1位 207 .540 .250 
遠藤 阪神 4位 178 .444 .226 
菊田 読売 3位 149 .498 .161
上野 ハム 3位 175 .407 .135

 

イーグルスの黒川が優秀な成績です。本塁打も6本打っています。ゆくゆくは1軍で二塁手のレギュラーになってくれるんじゃないかという期待が高まります。
3球団競合ドラ1の石川は、さすがのOPSですが、選球眼の方はまだまだ1軍レベルに達していませんね。本塁打は3本ですので、大砲タイプというよりはアベレージタイプなのかもしれません。
本塁打という点では、タイガースの井上。9本塁打を打っています。が、選球眼が低い。彼に期待されているのは本塁打だと思いますので、長打狙いの姿勢を変えずに選球眼を磨きたいところですね。
また、カープの木下も7本塁打を打っています。まだ育成選手で支配下登録を目指す段階ですが、選球眼が良さそうなので今後の成長に期待がかかります。
森と紅林は、共に次世代の遊撃手として期待されていますが、まだまだという感じ。

 

<高卒社会人選手>
佐藤 SB 1位 194 .652 .190

 

ドラ1の佐藤直樹ですが、全く物足りない成績です。高卒社会人なので、100%の即戦力を期待されていたわけではないでしょうが、それにしても心配な成績です。

 

<大卒選手>
大下 オリ 育6 204 .663 .800
蝦名 De 6位 128 .955 .870
片岡 ハム 7位 202 .572 .528 
柳町 SB 5位 196 .817 .526 
福田 ロッ 5位 214 .594 .481 
小野寺 阪神 育1 144 .562 .435 
宇草 広島 2位 236 .697 .294 
髙部 ロッ 3位 179 .789 .212

 

少ない打数ながらずば抜けた成績を残したのは、ベイスターズの蝦名。ファームではやることがないくらいの成績を残しました。また、バファローズの大下は優秀な選球眼を見せました。9月14日に支配下登録され、一軍デビューも果たしています。その他には、ホークスの柳町は素晴らしい成績ですね。ドラ1の佐藤よりもずっと期待できそうな感じがします。

 

独立リーグ経由選手>
岸  西武 8位 177 .761 .714
樋口 ハム 育2 200 1.092 .476

 

ライオンズの岸が優秀ですね。ファイターズの樋口は選球眼は今一つながら、これだけ打てるのは魅力。9月22日に支配下登録されました。もう若くはありませんので、来季は一軍でアピールしなければなりませんね。