ドラフトの通信簿

NPBドラフトにおける、各球団の指名結果を採点します。

2019年ドラフト<千葉ロッテマリーンズ編>

この年の千葉ロッテマリーンズの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2020シーズン終了までの通算成績になります。)

 
1位 佐々木朗希  0回(4球団競合)
2位 佐藤都志也 26安打
3位 髙部瑛斗   1安打
4位 横山陸人   0回
5位 福田光輝   2安打
育1 本前郁也   0回
育2 植田将太   0安打

 

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで29Pになります。


この年一番の人気銘柄、4球団が競合した佐々木朗希を引き当てることに成功。ドラフト終了直後には、マリーンズが一番の勝ち組という扱いだったと記憶しています。その佐々木ですが、1年目はファームでも登板がありませんでした。もしかすると、大石達也や田中正義のようになってしまうんじゃないか…という不安を感じ始めたファンも多いのではないでしょうか。複数球団競合の人気銘柄が鳴かず飛ばずに終わるというのは、それなりにあることですからね。


今季のマリーンズは、正捕手が田村・第2捕手が柿沼でしたが、そこに割って入る存在が2位の佐藤。今季は4試合でスタメンマスクでした。田村の打撃が伸び悩み気味、柿沼は守備専というところで、「打てる捕手」の期待が持てるのがこの佐藤。いい選手を獲得したと思います。

2019年ドラフト<広島東洋カープ編>

この年の広島東洋カープの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2020シーズン終了までの通算成績になります。)

 
1位 森下暢仁 122.2回
2位 宇草孔基  11安打
3位 鈴木寛人   0回
4位 韮澤雄也   0安打
5位 石原貴規   0安打
6位 玉村昇悟   0回
育1 持丸泰輝   0安打
育2 木下元秀   0安打
育3 畝章真    0回

 

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで133.2Pになります。


佐々木朗希・奥川・石川といった高校生スターに注目が集まる中、カープが一本釣りに成功したのが、大学生NO1右腕の森下。その後の活躍はご存知の通り、18先発で10勝3敗で新人王獲得。エース級の活躍でした。毎年「大学NO1右腕」はいますが、プロへの対応力が並外れていましたね。この一本釣りを許した他球団編成部は反省すべきだと思いますよ…。

2019年ドラフト<北海道日本ハムファイターズ編>

この年の北海道日本ハムファイターズの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2020シーズン終了までの通算成績になります。)

 

外れ 佐々木朗希
1位 河野竜生 60.1回(2球団競合)
2位 立野和明  0回
3位 上野響平  0安打
4位 鈴木健矢 11.1回
5位 望月大希  2回
6位 梅林優貴  0安打
7位 片岡奨人  0安打
育1 宮田輝星  0安打
育2 樋口龍之介 7安打
育3 長谷川凌汰 0回

 

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで80.2Pになります。


まずはその年1番の素材を指名するファイターズ、この年もその方針にブレなく、佐々木を指名しますが、ここは外れ。外れ1位では、高卒社会人左腕の河野を指名します。大卒社会人ではないので100%の即戦力を期待したわけではなく、素材50%即戦力50%くらいの期待度だったでしょうか。結果的には、12先発で3勝5敗、防御率5.07の成績でした。

2019年ドラフト<中日ドラゴンズ編>

この年の中日ドラゴンズの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2020シーズン終了までの通算成績になります。)

 

1位 石川昂弥   8安打(3球団競合)
2位 橋本侑樹  17回
3位 岡野祐一郎 42.1回
4位 郡司裕也  10安打
5位 岡林勇希   2安打
6位 竹内龍臣   0回
育1 松田亘哲   0回

 

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで79.1Pになります。


この年のドラフトは、佐々木朗希と奥川という2人の高校生投手が大きな注目を集めていましたが、本指名では石川にも同じレベルの人気が集まりました。それだけ、石川の持っているポテンシャルに希少性があったということなのでしょう。ドラゴンズは平田や高橋周平など、見込みのある高校生野手を辛抱強く育成できるチームですので、成長に期待したいです。


2位の大卒左腕、橋本は中継ぎとして14試合に登板しましたが、防御率7.41とふるわず。


3位の岡野は、大卒後に社会人野球を経て入団。即戦力の期待がありましたが、9先発で防御率6.17と苦戦しました。


4位の郡司は正捕手争いを活性化する存在。木下が一歩抜け出た感じがありますが、さらにレベルアップして追いつきたいところです。

2019年ドラフト<オリックスバファローズ編>

この年のオリックスバファローズの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2020シーズン終了までの通算成績になります。)

 

外れ 石川昂弥
外れ 河野竜生
1位 宮城大弥  16回
2位 紅林弘太郎  4安打
3位 村西良太   8回
4位 前佑囲斗   0回
5位 勝俣翔貴   0安打
育1 佐藤一磨   0回
育2 谷岡楓太   0回
育3 中田惟斗   0回
育4 平野大和   0安打
育5 鶴見凌也   0安打
育6 大下誠一郎 19安打
育7 佐藤優悟   0安打
育8 松山真之   0回

 

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで47Pになります。


レギュラー不在の三塁を任せることができそうな石川をまず指名しますが、これは外れ。続いて、この年のNO1左腕と評価されていた河野を指名しますが、これも外れ。そして、高卒左腕の宮城を指名します。宮城はファームでリーグ最多勝を獲得、1軍でも3試合で先発して1勝1敗をあげました。今のところ、佐々木朗希や奥川よりも上です。


2位の紅林は高卒の大型遊撃手。11月6日の試合では決勝打を放ち、宮城の初勝利を呼び込みました。将来的に、18年ドラ1の太田と共に、三遊間のレギュラーになるところを期待したいです。

2019年ドラフト<東京ヤクルトスワローズ編>

これまで、当ブログでは2019シーズンまでの通算記録で記事を書いてきたのですが、2020年シーズンも既に終わっております。そこで2020年シーズンの記録を踏まえ、2019年ドラフトの振り返りを行っていきます。(その後には、2018年ドラフトと2017年ドラフトも、2020年シーズンの記録を加筆して再評価したいと思います。)


まずは、東京ヤクルトスワローズからです。この年のスワローズの指名は以下の通りでした。
(選手名の横の数値は、2020シーズン終了までの通算成績になります。)

 

1位 奥川恭伸  2回 (3球団競合)
2位 吉田大喜 67.1回
3位 杉山晃基  0回
4位 大西広樹  9回
5位 長岡秀樹  1安打
6位 武岡龍世  3安打

 

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで82.1Pになります。


まずは1位ですが、3球団競合となった奥川のクジを引き当てることに成功しました。ファームでのデビューは6月20日、1軍でのデビューは最終戦の11月10日、結果は2回5失点の黒星と、ほろ苦いスタートとなりました。ドラフト直後には、高校生ながら実力は即戦力級、松坂や田中将大のように1年目から活躍できるとも言われていたことからすると、物足りない結果に見えますが、まずは投げられたことが収穫でしょうか。


2位の吉田は1年目からローテ入りし14先発しますが、2勝7敗の防御率5.21と厳しい結果になりました。ドラフト前には、大学生右腕では森下と双璧といわれていたのですが…。2位指名でなければこれだけ先発させたりはしなかったんじゃないだろうかと思ってしまいます。


5位長岡・6位武岡の高卒野手2人も、既に1軍の舞台を経験しています。戦力になるのはまだ先でしょうが、奥川共々、今後が楽しみです。

育成枠指名<集計編>

さて、チーム毎に振り返ってきた育成枠指名ですが、獲得ポイント順に並べると次の通りとなります。選手1人の平均値は、18となりました。

 

SB 2170.2 55名
ロッ 1026.2 20名
De  685.2 18名
読売  339.1 59
中日  153.1 18名
オリ  145.2 17名
阪神  128.1 11名
ヤク  119.1 13名
楽天  105   20名
西武   23    8名
広島    8   18
ハム    0    1名

 

こちらが、獲得した主要選手です。投手を黒、野手を青で記載しています。(若手は主要選手というには早くても、甘めに掲載しました。)

SB 千賀 牧原 甲斐 亀澤 石川 周東 大竹
ロッ 西野 岡田 和田
De 国吉 砂田
読売 増田
中日 なし
オリ 張 榊原
阪神 島本
ヤク なし
楽天 なし
西武 なし
広島 大盛
ハム なし

 


選手1人の獲得ポイントの平均値は、ドラフト10位の17をわずかに超えました。が、誤差のレベルでしょう。


積極的に選手をかき集めているのは、ホークスとジャイアンツの2チームですが、結果は明暗がはっきりとわかれました。エースに正捕手にと、レギュラークラスを獲得できたホークスに対して、ジャイアンツは増田や山下がこれからでてこれるかどうかというところです。また、ジャイアンツの陰に隠れていますが、カープも集めた人数の割には結果が出ていません。


育成指名に消極的なのは、ファイターズとライオンズ、それにタイガースとスワローズでしょうか。ファイターズは少数精鋭の育成にかなりの自信があるようでしたが、育成枠での指名を18年からスタートしており、育成方針の見直しがあったようです。また、ライオンズも17年より複数名の指名を始めています。


獲得できた主要選手を見ると、俊足系野手が多いことが目立ちます。守備範囲が広く、守備と走塁の二点で戦力として計算ができるというところが支配下登録に繋がるのでしょう。そしてそこから打撃で適応ができた選手が生き残っていけると。見込みのあるパワー系は希少度が高いので、ドラフト本指名の方でいなくなってしまいますね。