ドラフトの通信簿

NPBドラフトにおける、各球団の指名結果を採点します。

ドラフト3位指名<埼玉西武ライオンズ編>

今回見ていくのは、埼玉西武ライオンズの3位指名です。

  

2008 浅村 1317
2009 岩尾   66.1
2010 秋山 1405
2011 駒月    1
2012 金子  541
2013 豊田   50.2
2014 外崎  416
2015 野田  115.1
2016 源田  468
2017 伊藤   32.1
2018 山野辺   1
2019 松岡

 

1P=1安打=1回とすると、ドラフト3位指名選手が獲得したポイントは、トータルで4413.2Pになります。これは驚きの数値で、これまで見てきた中では、ジャイアンツのドラフト1位の4890.2Pに次ぐ値。ライオンズの強さの源泉というべき指名順位です。


まずは、浅村。高卒2年目から1軍出場し始め、3年目にはレギュラーに定着します。もっとも、守備位置は固定されず、一塁手二塁手三塁手右翼手左翼手と多様なポジションで起用されます。まずはそこそこの打力と、守備のユーティリティとして出番を確保しました。特に、守備の負担の軽い一塁手として起用されるうちに、打力を増していった印象です。そして、2014年に片岡がFAでジャイアンツに移籍した後、二塁手のレギュラーにつきます。このあたりの育成過程が実にライオンズっぽく、また期待に応えた浅村も見事でした。


次は、秋山。大卒1年目のシーズン途中から中堅手のレギュラーに定着。まずまず打てて守備の上手い中堅手という印象でしたが、5年目のシーズンに覚醒して打率.359で216安打(NPB歴代最高記録)をマーク、一気に格を上げました。


続いて、金子。大卒1年目から94試合に起用されますが、守備位置は固定されず、二塁手・遊撃手・右翼手と多様なポジションで起用されます。打力には特に見るべきところはなかったのですが、チーム事情で便利屋として使われるうちに経験を積んでいくことができました。2016にはレギュラーに定着、盗塁王のタイトルを獲得したことで存在感を高めます。以降、打力には物足りなさを感じますが、守備力と走力を買われての起用は続いています。


まだまだ続いて、外崎。大卒1年目、2年目と遊撃手で出場しますが、3年目に源田が入団してきたことで外野手にコンバートされるとレギュラーに定着。5年目に浅村がFAでイーグルスに移籍した後、今度は二塁手のレギュラーに定着します。これだけ打てて守れるセカンドは貴重。


最後に源田。大卒で社会人を経ての入団でしたが、1年目から遊撃手で起用されると、堅実な守備力でレギュラーに定着。2年目3年目にはゴールデングラブを受賞しました。おそらく今年も3年連続で受賞するのではないでしょうか。今、NPBで最も守備力の高い遊撃手ですね。


上で触れた野手5人ですが、秋山を除いた4人は遊撃手としての入団です。そのまま遊撃手のレギュラーに定着した源田は別として、浅村・金子・外崎は守備位置をその時その時のチーム事情で変えながら、主力に成長していきました。ライオンズの苦しいチーム事情(FA移籍による選手流出)が背景にあるとしても、こういったポテンシャルの高い野手をどうにかこうにか起用して育成するというノウハウが、チーム内に確立されていることを感じますね。