2018年ドラフト<千葉ロッテマリーンズ編>更新版
以前、マリーンズの2018年ドラフトについて、このような記事を書きました。
上記記事は19年シーズン1年分のみに基づいた評価でしたので、20年シーズンの結果を反映させ、2年分の成績で再評価を試みたいと思います。どのような選手が伸びてきたのでしょうか。
選手名の横の数値は、20年シーズン終了までの通算成績、横の数値は20年シーズンで積み上げた数値です。
1位 藤原恭大 27 +25
2位 東妻勇輔 36 +15
3位 小島和哉 167.2 +113.1
4位 山口航輝 0
5位 中村稔弥 89 +64
6位 古谷拓郎 6.1 +6.1
7位 松田進 1 +0
8位 土居豪人 0
育1 鎌田光津希 0
1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで327Pになります。
3位の小島(おじま)は大卒左腕。1年目に10先発しましたが、2年目の今季は年間通じてローテを守り、20先発して7勝8敗の成績でした。計算の立つ先発投手になった感じがあります。来年は2ケタ勝利を狙いたいですね。
5位の中村も大卒左腕。今季は11先発で2勝5敗の成績でした。まだ小島ほどの信頼感はありませんが、本格派の左腕でモノになると大きな戦力になりそうです。
1位の藤原は、10月に「感染拡大防止特例2020」の代替選手として1軍に昇格。いきなりスタメン登録されると、以降も起用が続きました。最終的には105打席で、打.260 出.301 OPS.707 本塁打3と、チームに勢いを呼び込む活躍で、スター性を発揮しました。ファームでの成績は、本塁打を7本打つなど1年目より成長しましたが、まだ1軍レベルではないかなと感じます。3年目の来季はファームでじっくり鍛えるのか、それとも1軍の実戦で鍛えるのか、井口監督の判断に注目したいです。
まだ結果はでていませんが、覚えておきたいのは6位の古谷。高卒2年目の今季に1軍デビューしました。二木・種市と同じ「ロッテのドラ6高卒右腕」。ポテンシャルの高そうな先発タイプの投手ですが、2人の先輩のように出世できるかどうかが注目です。
2018年ドラフト<福岡ソフトバンクホークス編>更新版
以前、ホークスの2018年ドラフトについて、このような記事を書きました。
上記記事は19年シーズン1年分のみに基づいた評価でしたので、20年シーズンの結果を反映させ、2年分の成績で再評価を試みたいと思います。どのような選手が伸びてきたのでしょうか。
選手名の横の数値は、20年シーズン終了までの通算成績、横の数値は20年シーズンで積み上げた数値です。
外れ 小園海斗
外れ 辰己涼介
1位 甲斐野央 58.2 +0
2位 杉山一樹 20.2 +16.2
3位 野村大樹 1 +0
4位 板東湧梧 31.2 +31.2
5位 水谷瞬 0
6位 泉圭輔 53.0 +34.2
7位 奥村政稔 16.2 +4.1
育1 渡邉陸 0
育2 岡本直也 0
育3 重田倫明 0
育4 中村宜聖 0
1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで181.2Pになります。徐々に全貌が見えてきましたが、楽しみな右腕が豊作のドラフトです。さすが投手王国。
1位の甲斐野は、大卒1年目の昨季、65試合に登板し、2勝5敗8S26Hと即戦力リリーフとして大活躍します。しかし今季は2月に右肘を故障、PRP療法を受けており、今オフにはクリーニング手術を受けました。トミージョン手術には至っていないのですが、復帰がいつになるのか心配です。
2位の杉山は、高卒社会人の2年目右腕。193cmの長身から投げ下ろす最速157キロの直球が最大の魅力(ほぼサファテやんこれ…)。今季は11登板で防御率2.16を記録しました。ゆくゆくはクローザーを担える可能性を感じる素材です。
4位の板東も、高卒社会人の2年目右腕。今季は15登板で2勝2敗2Hの、防御率2.56を記録しましたが、9月に肘の炎症で離脱、手術となりました。先発・中継ぎの両方に可能性がある楽しみな素材なので、復帰が待望されます。
6位の泉は、大卒2年目の右腕。今季は40登板で0勝1敗8Hの、防御率2.08を記録。こんな投手がCS・日本シリーズ共に出番なしなのですから、ホークスの投手層の厚さはすさまじいですね。
2018年ドラフト<東京ヤクルトスワローズ編>更新版
以前、スワローズの2018年ドラフトについて、このような記事を書きました。
上記記事は19年シーズン1年分のみに基づいた評価でしたので、20年シーズンの結果を反映させ、2年分の成績で再評価を試みたいと思います。どのような選手が伸びてきたのでしょうか。
選手名の横の数値は、20年シーズン終了までの通算成績、横の数値は20年シーズンで積み上げた数値です。
外れ 根尾昴
外れ 上茶谷大河
1位 清水昇 79.1 +53.1
2位 中山翔太 39 +11
3位 市川悠太 0 0
4位 濱田太貴 20 +20
5位 坂本光士郎 24.2 +3
6位 鈴木裕太 0 0
7位 久保拓眞 24.2 +13.2
8位 吉田大成 7 +1
育1 内山太嗣 0 0
育2 松本友 2 +2
1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで196.2Pになります。
1位の清水は、大卒1年目の昨季、3先発で0勝3敗の防御率7.27と悔しいデビュー年になりました。2年目の今季は中継ぎに転向すると才能が開花。52登板で0勝4敗30Hの防御率3.54で、最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得しました。来季こそはプロ初勝利したいですね。
2位の中山は大卒の外野手。1年目は28安打でしたが、今季は11安打と伸び悩みました。選球眼がそこそこ、長打力もあるのですが、打率は昨季よりも低下しました(打.229 出.283 OPS.783)。塩見や山崎とスタメン争いする立場ですが、ガタイ的に筋骨隆々の中山に期待せざるをえません。来季は成長をみせてほしいところ。
そして地道に伸びてきているのが、4位の高卒外野手、濱田。2年目の今季はファームで11本塁打を放っています。さすがに1年上の村上と比べるのは酷ですが、村上と並んで中軸を担える可能性があります。
2018年ドラフト<広島東洋カープ編>更新版
以前、カープの2018年ドラフトについて、このような記事を書きました。
上記記事は19年シーズン1年分のみに基づいた評価でしたので、20年シーズンの結果を反映させ、2年分の成績で再評価を試みたいと思います。どのような選手が伸びてきたのでしょうか。
選手名の横の数値は、20年シーズン終了までの通算成績、横の数値は20年シーズンで積み上げた数値です。
1位 小園海斗 40 +0
2位 島内颯太郎 66.1 +37.2
3位 林晃汰 1 +1
4位 中神拓都 0
5位 田中法彦 2 +2
6位 正隨優弥 1 +1
7位 羽月隆太郎 6 +6
育1 大盛穂 35 +35
1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで151.1Pになります。2年目で徐々に全貌が見えてきましたが、今後チームの柱になりそうな野手の多い豊作ドラフトになりそうな予感です。
1位の小園は、高卒1年目の昨季に1軍で40安打(4本塁打)をいきなり打ちましたが、今季は無安打に終わりました。しかし、ファームでは昨季よりも1段上の成績を記録しており(ファーム成績は後ほどまとめます。)、地道に成長した1年でした。来季は1軍でもっと観られそうな気がします。
2位の島内は大卒1年目の昨季に25登板、2年目の今季に38登板と、順調に経験を積んでいっている右腕です。高い奪三振能力が魅力ですが、一方で与四球が多いという欠点があり、この点で進歩がみられないのが気になります。今のままだとセットアッパーは厳しい。
3位の林は高卒の三塁手。2年目の今季はプロ初安打を記録しました。ファームでは9本塁打を放っており、長打力に期待できます。同期で競い合う存在が、同じ高卒の内野手の7位羽月。こちらもファームで林に劣らぬ成績を残しており、1軍では林よりも多く安打を記録しました。
6位の正随は大卒の外野手。こちらも2年目の今季はプロ初安打を記録しました。ファームでは高い選球眼をみせており、期待がもてそうな選手です。同期で競い合う存在が、同じ大卒の外野手の育成1位大盛。こちらは19年オフに支配下登録されるとファームで正随よりも上の成績を残し、一軍でより多く出場しました。
2018年ドラフト<中日ドラゴンズ編>更新版
以前、ドラゴンズの2018年ドラフトについて、このような記事を書きました。
上記記事は19年シーズン1年分のみに基づいた評価でしたので、20年シーズンの結果を反映させ、2年分の成績で再評価を試みたいと思います。どのような選手が伸びてきたのでしょうか。
選手名の横の数値は、20年シーズン終了までの通算成績、横の数値は20年シーズンで積み上げた数値です。
1位 根尾昂 2 +2
2位 梅津晃大 78 +43.1
3位 勝野昌慶 88.1 +72
4位 石橋康太 1 +0
5位 垣越建伸 0
6位 滝野要 2 +2
1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで171.1Pになります。
1位の根尾ですが、今季はプロ初安打を記録しました。とはいえ、ファーム成績(後ほど確認します)では成長が感じられず、モノになるかどうかが怪しくなってきました。
2位の梅津は、大卒2年目の今季、一年間ローテを守ることが期待されていましたが、8月2日の試合で10回無失点の力投後、1軍の場から遠ざかりました。来季からは背番号18を背負うということで、周囲からの期待に応えたいところです。
伸びたのは3位の勝野ですね。高卒社会人を経て2年目の今季、7月以降にローテに定着して存在感をみせました。
2018年ドラフト<北海道日本ハムファイターズ編>更新版
以前、ファイターズの2018年ドラフトについて、このような記事を書きました。
上記記事は19年シーズン1年分のみに基づいた評価でしたので、20年シーズンの結果を反映させ、2年分の成績で再評価を試みたいと思います。どのような選手が伸びてきたのでしょうか。
選手名の横の数値は、20年シーズン終了までの通算成績、横の数値は20年シーズンで積み上げた数値です。
外れ 根尾昂
1位 吉田輝星 31.1 +20.1
2位 野村佑希 19 +19
3位 生田目翼 14 +6
4位 万波中正 0
5位 柿木蓮 0
6位 田宮裕涼 3 +3
7位 福田俊 30.1 +30.1
育1 海老原一佳 0
1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで97.2Pになります。
1位の吉田ですが、今季は5先発して0勝2敗、防御率8.41に終わりました。これだけでは成長が感じられませんが、ファームでは12登板で3勝3敗で防御率2.56と、見られる成績になってきています。来年1軍でどのくらいやれるかで、モノになるのかならないのかがはっきりしそうな感じです。
2位の野村は、高卒2年目の今季、76打席で3本塁打、OPS.749の成績を残しました。17三振に対して1四球と、粗さを感じる成績ですが、長打力は魅力です。先輩の清宮よりも先にモノになりそうな気配があります。
7位の福田は、大卒2年目の今季、30登板で防御率3.26とまずまずの成績を残しました。来季はさらに重要な場面で起用されてくるのではないでしょうか。
2019年ドラフト<集計編>
さて、チーム毎に振り返ってきた2019年ドラフトですが、獲得ポイント順に並べると次の通りとなります。(ポイントの横は、獲得した主要選手です。カッコ内はまだ1軍で目だった結果は出していないものの、期待値の高い選手です。)
楽天 190.1 小深田(黒川・瀧中)
広島 133.2 森下
西武 104.1 宮川 浜屋
De 84 伊勢(森・坂本・蝦名)
ヤク 82.1 (吉田・奥川)
ハム 80.2 河野
中日 79.1 (石川)
オリ 47 (宮城・紅林)
ロッ 29 (佐々木・佐藤)
阪神 22 (西・井上)
SB 17.1 (海野・津森・柳町)
読売 0 なし
この年のドラフト前には、特大のポテンシャルを持つ佐々木朗希と、夏の高校野球で準優勝投手の奥川の2名に一番の注目が集まっていました。佐々木に4球団(全てパリーグ)・奥川に3球団(全てセリーグ)の指名が集中したのは前評判通りでしたが、高校生野手の石川にも3球団の指名が集まりました。中軸が打てるポテンシャルのある打者の希少性が高まっているのか、スケール感のある打者への人気が高まっていますね。一方で、即戦力間違いなしと言われた森下は、カープが単独指名に成功します。また、石井GM主導の小深田の指名は良くも悪くも注目されました。
そして、一年経ってみたところでのポイントは上記のとおり。この1年前の2018ドラフトに比べると即戦力は少ないドラフトだったというのが第一印象ですね。遊撃手で1・2番打者を任せることのできる小深田、エース級の森下を指名できた、イーグルスとカープは大成功でしょう。一方で、奥川はまだまだこれから、佐々木に至っては一軍登板までいけるかどうか黄信号というところでしょうか、先行きがかなり不透明です。また、バファローズの宮城やタイガースの西なども、佐々木・奥川に劣らぬ魅力があります。
高卒野手では、ドラゴンズの石川とイーグルスの黒川が大物になりそうな気配。タイガースの井上・バファローズの紅林・べイスターズの森は粗さが磨かれればというところ、一軍で継続的に出場する日はまだまだ遠い気がします。
即戦力と言われた、ライオンズの宮川、ファイターズの河野はちょっと期待外れでしょうか。このままだと中途半端な選手になってしまいそうな感じがします。