ドラフトの通信簿

NPBドラフトにおける、各球団の指名結果を採点します。

2018年ドラフト<集計編>更新版

以前、2018年ドラフトについて、このような記事を書きました。

 

koryusai.hatenablog.com

 

上記記事は19年シーズン1年分のみに基づいた評価でしたので、20年シーズンの結果を反映させ、2年分の成績で再評価を試みたいと思います。順位に変動はあったでしょうか。(ポイントの横は、獲得した主要選手です。カッコ内はまだ1軍で目だった結果は出していないものの、期待値の高い選手です。)

 

阪神  531   近本・木浪(小幡)
De  392.1 上茶谷・大貫(伊藤)
楽天  375   辰巳(太田光・小郷)
ロッ  327   小島(藤原・山口・中村・古谷)
オリ  307.1 (太田椋・頓宮・中川)
西武  296   松本・森脇
読売  256.1 髙橋・戸郷
ヤク  196.2 清水(中山・濱田)
SB  181.2 板東・泉(甲斐野・杉山)
中日  171.1 梅津・勝野(根尾)
広島  151.1 (小園・林・正随・大盛)
ハム   97.2 福田(吉田・野村・万浪)

 

この年のドラフト前には「高校BIG3 根尾・小園・藤原」のドラフトと言われていました。前年は「高校BIG3 清宮・安田・中村」のドラフトと言われながら、清宮に人気が集中したのに対して、この年はそのBIG3に指名が分散しました。唯一、ライオンズだけがBIG3には目もくれず、即戦力投手の松本を指名します。そして、夏の高校野球で一番のスターだった吉田がファイターズに入団したことも、話題になりましたね。


1位は、近本と木浪が順調にポイントを伸ばしたタイガース。今季は高卒2年目の小幡も力を発揮し始めました。2位のベイスターズは、上茶谷が怪我に泣いた分 、大貫が台頭。3位のイーグルスは順位こそ変動ありませんが、辰巳が伸び悩み、太田が負傷し、弓削が成績を落とし、渡邊が出番を失い、と、あまり元気がありません。とはいえ、小郷の台頭は明るい材料ですね。


4位は、小島が先発ローテに定着したことで一気に順位を上げたマリーンズ。期待株の方も投打に好素材が並びます。5位のバファローズは、中川が失速したのは残念ですが、太田と頓宮が本格稼働するのが楽しみです。6位のライオンズは、松本ってこんなもんなのかな…皆が思い始めたところで、中継ぎの森脇が出てきたのがうれしい。


7位のジャイアンツは、髙橋が怪我に泣いた分、戸郷がエースへの道を歩み始めました。8位のスワローズは、中継ぎに配置転換された清水が覚醒。9位のホークスは甲斐野が故障した一方で、投手の好素材が続々と出てきました。


10位のドラゴンズは、根尾の将来が怪しくなってきた一方で、梅津と勝野とローテ級が2枚出てきました。11位のカープは野手の好素材がファームで腕を磨きます。12位のファイターズは、吉田にはもう一皮剥けてほしかったところ。まだまだ粗いですが野村という素材に期待が高まっています 。


もう一年くらい見ると、期待の素材がモノになるのか、ならなさそうなのかがはっきりしてくると思います。

2018年ドラフト<阪神タイガース編>更新版

以前、タイガースの2018年ドラフトについて、このような記事を書きました。

 

koryusai.hatenablog.com

 

上記記事は19年シーズン1年分のみに基づいた評価でしたので、20年シーズンの結果を反映させ、2年分の成績で再評価を試みたいと思います。どのような選手が伸びてきたのでしょうか。
選手名の横の数値は、20年シーズン終了までの通算成績、横の数値は20年シーズンで積み上げた数値です。

 

外れ 藤原恭大
外れ 辰己涼介
1位 近本光司 298 +139
2位 小幡竜平  28  +28
3位 木浪聖也 196  +74
4位 齋藤友貴哉  9   +7
5位 川原陸    0
6位 湯浅京己   0
育1 片山雄哉   0

 

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで531Pになります。


1位の近本は、大卒で社会人野球を経て2年目の今季、開幕こそ出遅れましたが、攻守でチームを牽引する活躍でした。デビューから2年連続で盗塁王のタイトルを獲得した走力はもちろんのこと、選球眼と守備力が向上し、大山・梅野と並ぶチームの柱になった感があります。


2位の小幡は、身長184cmの大型遊撃手。高卒2年目の今季は本職ではない二塁手と、本職の遊撃手での出場機会を得ました。どちらで出場しても非凡な守備センスを感じましたが、本職と逆の動きになる二塁手では不慣れさを感じたので、まずは遊撃手で起用してほしいところ。将来的なレギュラー取りが期待されます。


3位の木浪は大卒で社会人野球を経た遊撃手。1年目の昨季は113試合に出場しますが、拙守でチームの守備崩壊の一因になってしまいます。今季は守備力が大幅に向上しましたが、9月下旬に「感染拡大防止特約2020」による入れ替えで抹消。(この間に小幡が遊撃手で出場していました。)チームはドラフトで新たな遊撃手(中野)を獲得しており、まだまだ遊撃手のレギュラー争いは続きます。

2018年ドラフト<横浜Denaベイスターズ編>更新版

以前、ベイスターズの2018年ドラフトについて、このような記事を書きました。

 

koryusai.hatenablog.com

 

上記記事は19年シーズン1年分のみに基づいた評価でしたので、20年シーズンの結果を反映させ、2年分の成績で再評価を試みたいと思います。どのような選手が伸びてきたのでしょうか。
選手名の横の数値は、20年シーズン終了までの通算成績、横の数値は20年シーズンで積み上げた数値です。

 

外れ 小園海斗
1位 上茶谷大河 193 +59
2位 伊藤裕季也  19  +4
3位 大貫晋一  180.1 +113.2
4位 勝又温史    0
5位 益子京右    0
6位 知野直人    0
育1 宮城滝太    0

 

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで392.1Pになります。


1位の上茶谷は大卒1年目からローテを守り、7勝6敗で防御率3.96の成績を残しました。2年目の今季は怪我に苦しみ、11試合の登板で2勝3敗の防御率4.12で終わってしまいます。


代わりに伸びたのが3位の大貫。大卒で社会人野球を経て2年目の今季は、19先発で10勝6敗で防御率2.53と、チームの柱になる成績を残しました。


2位の伊藤は大卒1年目の昨季に、57打席ながらOPSで.929という打撃を披露。2年目の今季は期待されましたが4安打に終わりました。チームは最新のドラフトで同じタイプの牧を獲得。立場が危うくなってきました。

2018年ドラフト<東北楽天ゴールデンイーグルス編>更新版

以前、イーグルスの2018年ドラフトについて、このような記事を書きました。

 

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上記記事は19年シーズン1年分のみに基づいた評価でしたので、20年シーズンの結果を反映させ、2年分の成績で再評価を試みたいと思います。どのような選手が伸びてきたのでしょうか。
選手名の横の数値は、20年シーズン終了までの通算成績、横の数値は20年シーズンで積み上げた数値です。

 

外れ 藤原恭大
1位 辰己涼介 128 +56
2位 太田光   47 +26
3位 引地秀一郎  0
4位 弓削隼人  93.2 +50.1
5位 佐藤智輝   0
6位 渡邊佳明  69 +20
7位 小郷裕哉  36 +31
8位 鈴木翔天   1.1 +1.1
育1 清宮虎多朗  0
育2 則本佳樹   0

 

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで375Pになります。


1位の辰巳はルーキーイヤーの19年、田中和基の故障離脱によって中堅手のレギュラーに定着しました。OPSは.639でしたが、球界トップクラスの守備力を披露していたので、このまま守備を買われて起用されているうちに打撃が良くなっていくパターンだろうなと思っていたのですが…。今季は守備で雑なプレーが目立ち、打撃の方もあまり成長がなく、田中和基と出場機会を分け合う結果になりました。2人とも打席数は282で、OPSは辰巳が.664、田中が.687と、どっこいどっこいの成績。この2人にはもうワンランク上の成績を期待したいですね。


2位の太田は開幕スタメンに抜擢されると、攻守に素晴らしいプレーを披露し、正捕手争いで一番手に立ったと思われたのですが、9月下旬に左肩関節唇損傷でシーズンエンドとなりました。利き腕ではないので、打撃や送球にはそれほどの影響はないと思われますが、捕球には影響がないのかが心配です。石井監督は太田を正捕手にという考えをもっているようですが、どうなるでしょうか。


4位の弓削は、19年に7先発し、20年も10先発したのですが、防御率は3.74から5.01と悪化。


期待が大きいのは7位の小郷でしょうか。今季は129打席でOPSは.843と大きく飛躍しました。来季は右翼か左翼でのレギュラー取りに期待がかかります。

2018年ドラフト<オリックスバファローズ編>更新版

以前、バファローズの2018年ドラフトについて、このような記事を書きました。

 

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上記記事は19年シーズン1年分のみに基づいた評価でしたので、20年シーズンの結果を反映させ、2年分の成績で再評価を試みたいと思います。どのような選手が伸びてきたのでしょうか。
選手名の横の数値は、20年シーズン終了までの通算成績、横の数値は20年シーズンで積み上げた数値です。

 

外れ 小園海斗
1位 太田椋  14   +14
2位 頓宮裕真 28   +10
3位 荒西祐大 83   +31.1
4位 富山凌雅 20.1 +18.1
5位 宜保翔   8    +2
6位 左澤優   4.1  +1.1
7位 中川圭太 126  +21
育1 漆原大晟 23.2 +23.2

 

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで307.1Pになります。


昨年はルーキーながら105安打を打った中川ですが、今季は大失速。ファームでは無双するのですが、1軍では大苦戦で21安打の上積みに留まってしまいます。1年目の活躍はマグレだったのでしょうか…


1位の太田は期待の大きい高卒野手。2年目の今季は7月に1軍昇格すると、プロ初安打を本塁打で記録。怪我で離脱するまでに、ops.785の好成績を残しました。長打の期待できる内野手はこのチームには貴重です。遊撃手か三塁主か、どちらかでのレギュラー獲得が切望されます。


2位の頓宮は、こちらも期待の大きい大卒捕手。2年目の今季は怪我に泣かされ、一軍昇格は10月下旬になってしまいましたが、ops.965の好成績を残しました。1年通して1軍にいた場合にどのような成績を残すのか気になります。守備型の若月、打撃型の伏見とのレギュラー争いを来季は通年で見たいものです。

2018年ドラフト<埼玉西武ライオンズ編>更新版

以前、ライオンズの2018年ドラフトについて、このような記事を書きました。

 

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上記記事は19年シーズン1年分のみに基づいた評価でしたので、20年シーズンの結果を反映させ、2年分の成績で再評価を試みたいと思います。どのような選手が伸びてきたのでしょうか。
選手名の横の数値は、20年シーズン終了までの通算成績、横の数値は20年シーズンで積み上げた数値です。

 

1位 松本航 188.1 +103
2位 渡邉勇太朗 0
3位 山野辺翔 15 +14
4位 粟津凱士  2  +0
5位 牧野翔矢  0
6位 森脇亮介 77.2 +46.2
7位 佐藤龍世 13  +0
育1 東野葵   0
育2 大窪士夢  0
育3 中熊大智  0

 

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで296Pになります。


1位の松本は大卒1年目からローテを守り、1年目は16先発で防御率4.54、2年目は20先発で防御率4.37の成績を残しています。ローテを守るのは立派ですが、投球内容にあまり進歩が見られなかったのは残念です。もっと投手の層が厚いチームであればこれだけ試合に出られていない気がします。


20年に一番伸びたのは、6位の森脇。大卒、社会人野球を経て2年目の今季は、47登板で7勝1敗1S16Hで防御率1.35の好成績を残しました。ライオンズのブルペン陣が整備されてきているのを感じます。

2018年ドラフト<読売ジャイアンツ編>更新版

以前、ジャイアンツの2018年ドラフトについて、このような記事を書きました。

 

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上記記事は19年シーズン1年分のみに基づいた評価でしたので、20年シーズンの結果を反映させ、2年分の成績で再評価を試みたいと思います。どのような選手が伸びてきたのでしょうか。
選手名の横の数値は、20年シーズン終了までの通算成績、横の数値は20年シーズンで積み上げた数値です。

 

外れ 根尾昴
外れ 辰己涼介
1位 髙橋優貴 116  +23
2位 増田陸    0
3位 直江大輔  12  +12
4位 横川凱    5.2 +5.2
5位 松井義弥   0
6位 戸郷翔征 116.1 +107.2
育1 山下航汰   2   +0
育2 平井快青   0
育3 沼田翔平   4.1 +4.1
育4 黒田響生   0

 

1P=1安打=1回とすると、この年のドラフトはトータルで256.1Pになります。


1位の髙橋は大卒左腕。1年目はローテを1年間守りましたが、2年目は肘痛に苦しみました。日本シリーズでは中継ぎも経験しましたが、来季はまた先発として復帰を目指します。


今季一番伸びたのは、6位の戸郷。高卒2年目の今季は一気に飛躍。先発ローテを1年間守り、2ケタ勝利まであと一歩の9勝6敗で防御率2.76の好成績を残し、次世代エースの可能性を感じさせます。


3位の直江は、高卒2年目の今オフ、椎間板ヘルニアの手術を受けて育成契約となりました。また、トッププロスペクトであった育1の山下も、右手有鈎骨骨折からの復帰に専念するため再度育成契約となりました。